「前行」とは、チベット語で「グンド」といい、本格的な密教の門へ入るために必要とされる準備段階の修行です。一般には、1帰依と発菩提心、2金剛サッタの浄化法、3曼荼羅供養、4グルヨーガの四者をもって前行の内容としています。本コースでは、6箇月をかけて「帰依と発菩提心」を伝授し、修行を実践します。「帰依」とは、仏・法・僧の三宝を信じて拠りどころとすることであり、仏教徒としての出発点です。「発菩提心」は、一切衆生を救うために自ら仏陀となる志を立て、実際に修行を始めることです。それゆえ、これらは最も根本的な修行であり、絶対に欠かすことはできません。
なお、10月以降は半年毎に2→3→4と進み、そのあと再び1へ戻る予定です。従って−いつから始めても−この「前行道場」に2年以上続けて通えば、四つの伝授を全て受けられることになります。そして、四つの前行それぞれについて、受講者の方が必要な分量の修行を成就したら、ポタラ・カレッジ公認の修了証を授与します。
チベット密教の前行については、『虹の階梯』などで詳しく紹介され、関心をお持ちの方も多いようです。これを実修する場合は、資格のある真正なラマから指導を受け、正しい考え方と方法に従うことが何よりも大切です。
テキストとして、『実践・チベット仏教入門』、及び『チベット密教の瞑想法』を使用します。