「道次第」(ラムリム)とは、仏教の膨大な経典や論書の教えを矛盾なく整理・再構成し、教理の体系と実践の指針を提示するもので、中興の祖師アティーシャ以来、チベット仏教の主流をなしてきた思想です。この流れを集大成したのが、チベット仏教史上最も偉大な学僧・聖者として名高いツォンカパ大師にほかなりません。
本コースでは、ツォンカパ造『菩提道次第略論』(チャンチュプ・ラムリム・チュンワ)の科文に基づきながら、「ラムリム」の思想体系を概観し、その要点を順に解説してゆきます。9月までの6箇月間で、下士(来世に有暇具足を目指す段階)と中士(輪廻からの解脱を目指す段階)の説明を終える予定です。そして、10月からもなるべく同じ時間帯に「ラムリム2」を開講し、上士(一切衆生のために仏陀の覚りを目指す段階)の菩薩行−特に止観−を詳しく解説したいと思います。
「ラムリム」の内容を正しく知ることは、覚りへ至る道の最も確実な地図を手にするようなものです。本コースの特色は、単に「ラムリム」を概観するだけでなく、原典の科文に忠実に準拠し、全てのポイントを漏らさず解説する点にあります。