仏教の基礎学−倶舎論

ヴァスバンドゥ(世親)の『阿毘達磨倶舎論』は、インド仏教四学派の中で説一切有部や経量部の説をもとに仏教の基礎学をまとめた大論書で、チベット仏教でも日本仏教でも重視されています。

例えば、チベットの僧院教育で最初に学ぶ「ドゥータ」という入門課程も、この『倶舎論』などを一つの拠りどころにしています。それゆえ、『倶舎論』をよく学ぶならば、チベットと日本双方の仏教に共通する論議の土台について、正確な理解を打ち立てられるのです。

この春からは、『倶舎論』の第二章「分別根品」を順次解説してゆきます。その中で、根の分類、心の働き、因と縁と果、心の分類などについて、詳細で厳密な考察を加えます。さらに、第三章「分別世間品」に入れば、三界の器世間と有情など、通仏教的な世界観を学びます。但し、部派仏教の阿毘達磨哲学という枠組みの論議に終始するのではなく、大乗仏教や密教を実践するための基礎学という点に重点を置き、平易な説明を心がけるつもりです。

担当 ガワン・ウースン・ゴンタ
会場 第2会場
受講料 36,000円/6箇月
日時 土曜 午後5時〜6時30分 4月26日開講 6箇月コース(H20.9月末まで)