チベット仏教では、密教教典を所作・行・瑜伽・無上瑜伽の四種タントラに分類し、それによって複雑な教理・実践体系を整理しています。
本講演では、インドやチベットの学僧たちによるタントラ分類法を概観し、現在のチベット仏教界で定説となっている密教理解が成立するまでの過程を辿ります。さらに、四種タントラそれぞれの特色を明らかにし、実地の修行との結びつきにも言及する予定です。
それとともに、在家信者の修行にも言及し、現代日本社会で生活する私たちが日常的になすべき実践の中身を説明し、仏教徒としていかに生きるべきかを考えます。
「チベット密教」シリーズ密教第二巻(春秋社、七月刊行予定)に収録されている講師の同名論文をもとに解説を行います。