瞑想の実践理論−修習次第

本コースのテーマは、インドの論師カマラシーラ(蓮華戒)の『修習次第』です。カマラシーラは、仏教を本格的に受け入れて間もないチベットへ招かれ、「サムイェーの宗論」に於いて中国禅の和尚を論破したことでよく知られています。『修習次第』は、そうした宗論を念頭に置いて説かれた瞑想修行の理論的な手引き書です。それゆえ、チベット仏教の初期段階に於いて、思想潮流を決定づける重要な役割りを果たした論書だといえます。後世にツォンカパ大師も、この『修習次第』をたびたび引用しつつ、「ラムリム」をお説きになっています。

本コースでは、主として『修習次第』中編を紐解いてゆきますが、必要に応じて初編と後編の内容にも言及します。『修習次第』の主要なテーマは、止観の瞑想です。「止」は対象に心を一点集中すること、「観」は対象を分析することです。この秋からは、観の内容として、一切法無我の分析を深めます。そして、止と観を分かち難く結びつける高度な瞑想と、それから立ち上がったときの方便 の修行との関連性を学びます。初心者の段階の修行から、空性を直感的に了解した聖者の菩薩の段階を経て、一切智智たる仏陀の境地へ至るまで、どのように瞑想やその他の修行を実践してゆくか…というその枠組みを、本コースでは『修習次第』に基づきながら、徹底的に明らかにしてゆきたいと思います。

止観の瞑想に関心のある方へ、特にお奨めです!

参考図書は、『ダライ・ラマ 大乗の瞑想法』(春秋社)。授業では、プリントを用意します

担当 ガワン・ウースン・ゴンタ
会場 第二会場
受講料 36,000円/6箇月
日時 木曜 午後6時30分〜8時 10月22日開講 6箇月コース(H22.3月末まで)