推薦のことば
吉田 宏晢  
チベット仏教普及協会の
設立を讚え推薦する

大正大学教授
吉田 宏晢


 チベット仏教はタイやミャンマー、スリランカなどに伝わった南方仏教、中国、朝鮮半島、日本に伝わった北方仏教とはちがった、もう一つの主要な流れを形成する仏教である。 それはインドの後期仏教の流れをも正しく受け継ぎ展開した、世界史的にも貴重な宗教文化の伝統を保持している。

 しかも、その説く教えの内容は、仏教の真髄である智慧と慈悲の体現をまのあたりにする哲学と実践の方法論を有している。

 また、その教理と実践の方法を記した貴重な文献は、質量ともに漢訳大蔵経をも凌駕するほどのものであり、今後の仏教研究にとっても、汲めども尽きせぬ無尽の宝庫である。

 このたび、ゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ、クンチョック・シタル、齋藤保高の三師により、「チベット仏教普及協会」が設立された。

 ソナム、クンチョックの両師は、1987年大正大学大学院修士課程(仏教学専攻)に入学されて以来、博士課程修了まで、日本仏教、チベット仏教を学ばれた新進気鋭の学僧である。また、ソナム師はその後、(新)デプン僧院において「ゲシェー」(仏教哲学博士)の学位を授与された。

 このたびの、これら三師によるチベット仏教普及協会の設立は、まだ未熟ではあるが、時代の混迷に投げかける一条の光明である。

 よって満腔の祝意をもってその発足を讚え、今後の大いなる活躍を期待し、また支援したいと願うものである。

 
 
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