推薦のことば
タムチュー・ギェルツェン  
ソナム、クンチョック両君の
活躍に期待する

ダラムサラ仏教論理大学学長
タムチュー・ギェルツェン


 日本の地でこのたび「チベット仏教普及協会」が設立されたことについて、私自身はもとより、仏教論理大学教職員や学生ともども歓迎し、ここに祝意を表明したい。

 日本では、古来仏法が弘通して寺院や僧侶も多く、その結果社会の各方面に仏教の影響が浸透しているという。そうした日本仏教とチベットの仏教が今後共存して協力関係を構築するならば、世界平和に貢献するなど、一切衆生の心に安らぎをもたらすための利他行を大いになし得るであろう。チベットと日本は、同じ仏教国であるうえ文化的にも近い関係にあるので、真の意味で交流を深く進めるなら、必ずや素晴らしい成果を相互に生み出せるはずだ。日本でもチベット仏教に対する関心が高まり、真剣に求道する人々が徐々に増加しつつあるという今日、チベット仏教普及協会が果たすべき役割は非常に大きい。

 ソナム・ギャルツェン君とクンチョック・シタル君は、少年時代から仏教に憧れ、自ら求道の志しを立てている。一般の学校に在学中から出家得度し、卒業後にこのダラムサラ仏教論理大学へ入学した。そして本学に於ては、チベット仏教の教理と実践を徹底的に極めるため、10年の長きにわたり精進を重ねてきた。その真摯な努力が実を結び、高度な知識と深い体験を有する学僧として大成し、極めて優秀な成績を残して本学を卒業したのである。

 その後、ダライ・ラマ法王から特に指名されて日本へ赴き、彼の地の大学院に於てチベット仏教と日本の仏教の比較研究に従事する。その傍ら、日本に於ける伝道活動を開始し、以来チベット仏教を日本語で指導する経験を豊富に積んできた。仏教によく精通しているうえ、チベット語はもちろん英語や日本語にも堪能で、また人柄も温厚な両君こそは、まさに日本でのチベット仏教の指導者として最も適任であろう。そうした重責を全うしうる正真正銘の善知識として、彼らは推薦に値する人物だ。 両君がチベット仏教普及協会の活動に献身するであろうこと、そして同協会の活動が−日本の人々はもちろんのこと−全世界の人々にとって有益なものとなるであろうことを確信し、私は大いに期待を寄せている。チベット仏教普及協会の活動が順調に進み、その善き目的が意のままに障礙なく達成されるように祈りを込め、推薦の言葉としたい。

 
 
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