デプン寺ロセルリン学堂

デプン寺  デプン寺は、チベット仏教史上最も偉大な宗教家であるツォンカパ大師の直弟子が、ラサ近郊の山麓を選んで1416年に建立した僧院です。チベットで随一の規模を誇り、数々の優れた学僧や聖者を輩出し、ダライ・ラマゆかりの僧院としても有名です。けれども、1959年にダライ・ラマ14世法王がインドへ亡命してから急速に衰退し、今なお細々と宗教活動を続けているものの、往時の面影を偲ぶことはできません。

 デプン寺の指導的立場にあった高僧の多くは、ダライ・ラマ法王の後を追って亡命し、インド南部のカルナタカ州ムンゴットのチベット人難民入植地で僧院の再建を果たしました。今やチベット仏教の本流は、中国施政下のチベット本土ではなく、インドの亡命チベット人社会にあります。そして、再建されたデプン寺は、その中心的な役割りを担っているのです。

 ロセルリン学堂は、デプン寺の主要学堂の一つです。再建された同学堂は、現在のチベット仏教界を支える名僧の多くを擁し、学問と修行の場として大変な活況を呈しています。チャンパ・リンポチェ師をはじめ、今回来日する僧侶たちは、このロセルリン学堂の所属です。また、ポタラ・カレッジ(チベット仏教普及協会)会長のゲシェー・ソナム・ギャルツェンも、同学堂で仏教哲学博士の学位を取得しています。

 

 
 
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