2009年ゴールデンウィーク行事
デプン寺ロセルリン学堂 前僧院長による
チベット仏教の伝授
 
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本会と格別に御縁の深い大本山デプン寺ロセルリン学堂で、僧院長を昨年までお務めになったケンスル・リンポチェ=ゲシェー・ロサン・ギャツォ猊下が、5月の連休に来日されます。

今回は、ナーガールジュナの『中論』とヴァスバンドゥの『倶舎論』を、集中的に伝授・解説していただきます。この二つは、仏教を本格的に学修するために必要不可欠な教理の拠りどころとなる、極めて重要な根本聖典です。

大本山デプン寺ロセルリン学堂は、こうした聖典の教えを徹底的に学修・研究する教学の根本道場として、チベット仏教界で随一の名刹です。そのロセルリン学堂を長年率いてこられたケンスル・リンポチェから、これらの教えを直接受けられるというのは、極めて貴重な得難い機会だといえます。

2009年5月2日(土)PM 前行御法話とターラーの許可灌頂
2009年5月3日(日・祝)PM 人生と心の訓練「ロジョン」の教え
2009年5月4日(月・休)〜5月6日(水・振休) 『中論』の講伝
2009年5月9日(土)〜5月10日(日) 『倶舎論』の講伝

■前行御法話とターラーの許可灌頂

【一般向の内容です】

日時
2009年5月2日(土)午後3時〜6時

受法費
正会員・賛助会員10,000円/準会員11,000円/一般13,000円

内容
密教を修行するためには、その基礎として仏教一般と大乗仏教をよく学び、正しく理解し、 そのうえで堅固な信心と殊勝な動機を確立しなければなりません。そうした事柄について簡潔にまとめた「前行御法話」を授けていただいてから、「ターラーの許可灌頂」を厳修します。
ターラーは、あらゆる仏陀の衆生救済活動を体現する母尊であり、チベットでは僧俗の区別なく篤く信仰されています。ターラーの特色の一つは、速やかに効験を現わす点だといいます。それゆえ、様々な現世利益を祈願する本尊として、ターラーは最も適していると考えられています。そのような現世利益も、大乗仏教の正しい動機−菩提心−を根底にして祈れば、究極的には覚りへの道となります。
今回の許可灌頂は、受者を加持してターラーとの仏縁を結ぶものです。まじめな信心さえあれば、どなたでも受法できます。
 

会場
チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター

■人生と心の訓練「ロジョン」の教え

【一般向の内容です】

日時
2009年5月3日(日・祝)午後2時〜6時

受法費
正会員・賛助会員6,000円/準会員6,500円/一般7,000円

内容
大乗仏教の基本的な教えを、分かりやすく説明する講演です。大乗仏教の根本は、一切衆生に対する慈悲の心であり、それをもとにして菩提心を発することが最も大切な要点になります。
慈悲の心の芽は、私たち普通の人間にも、確かにあるはずです。しかしそれは、優しい思いやりの心が、自己愛着という心の汚れと複雑に混じりあった状態だといえます。それゆえ、人生の様々な局面で動揺し、貪りや怒りなどの煩悩に負けてしまいがちです。その ような弱い心を訓練して向上させ、菩薩の利他心へ転換してゆく秘訣が、「ロジョン」なの です。ロジョンの教えは、表面的な言葉だけでは、単なる奇麗事に終わってしまいます。しかし、深く理解して巧みに実践できれば、大乗仏教の修行として大いに役だちます。それと同時に、日常生活では、人間関係の悩みなどを解消する効果も期待できます。
本講演は、今回の一連の教えの中で、最も一般向の内容です。高僧の教え聴聞するよい機会なので、お誘い合わせのうえ是非御参加ください。
 

会場
チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター

■『中論』の講伝

日時
2009年5月4日(月・休)、5日(火・祝)、6日(水・振休)の三日間
三日間とも、午前11時〜午後1時、午後2時30分〜6時

受法費
正会員・賛助会員25,000円/準会員27,000円/一般30,000円

内容
お釈迦様の真意が最も直接に説かれた経典は−顕教の面では−『大般若経』です。 この『大般若経』の主題となっている「空性と縁起」の教えを、後世に詳しく解釈する…と お釈迦様自身によって予言されたのが、大祖師ナーガールジュナ(龍樹)です。ナーガルジュナが説いた『根本中論頌』は、中観派の思想哲学の根本聖典として、よく知られています。チベット仏教ゲルク派の伝統では、『中論』を大論師チャンドラキールティの『プラサンナパダー』や宗祖ツォンカパの『ツァシェー・ティクチェン』に準拠して解釈しています。今回の講伝では、『中論』の中でもとりわけ重要な三つの章−縁起を説く第1章、無我を説く第18章、涅槃を説く第25章−を中心に解説していただく予定です。
デプン寺ロセルリン学堂は、こうした中観哲学に関して、宗祖ツォンカパ大師の密意を大学僧パンチェン・スーナム・タクパが解釈整理して以来、チベット仏教界随一の教学道場として名を轟かせてきました。今回は、そのロセルリン学堂を率い、僧院教育の第一人者として長年活躍されたケンスル・リンポチェ御自身から、本格的に『中論』の講伝を受けられるという点で、非常に素晴らしい機会です。『中論』の内容は極めて高度で、しかも帰謬論法を駆使した逆説的な表現が偈頌に凝縮されているため、非常に難解です。平易な口語に和訳された書物を目にしたとき、言葉は全部分かったとしても、意味内容が判然と しない…という印象を持った方も多いと思います。しかし、ケンスル・リンポチェのようにこの教えの隅々まで深く精通したラマの口から説かれると、まるで目から鱗が落ちるように、 難解な教えが分かりやすくなるものです。このことは、六年前の『入中論』の講伝でも実証済みです。チベット仏教を本格的に学び実践したいという方には、是非受法をお勧めしたい重要な伝授です。
 

会場
チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター

■『倶舎論』の講伝

日時
2009年5月9日(土)、10日(日)の二日間
二日間とも、午前11時〜午後1時、午後2時30分〜6時

受法費
受法費:正会員・賛助会員17,000円/準会員18,500円/一般20,500円

内容
大論師ヴァスバンドゥ(世親)の『阿毘達磨倶舎論』は、仏教全体に共通する基礎学として、チベット仏教でも日本仏教でも重視されています。例えば、チベットの僧院教育で最初に学ぶ「ドゥータ」という科目も、『倶舎論』を一つの拠りどころとしています。それゆえ、『倶舎論』をよく学べば、チベットと日本双方の仏教に共通する論議の土台について、正確な理解を得られるのです。
 今回の講伝では、『倶舎論』の中でもとりわけ重要な二つの章−五蘊・十二処・十八界などを説く第1章、仏教の宇宙観を説く第3章−を中心に解説していただく予定です。こうした知識は、『秘密集会』など密教の修行でも、曼荼羅の瞑想に欠かせません。
 ケンスル・リンポチェは、現代チベット仏教界で『倶舎論』の大家としてよく知られています。仏教を本格的に学修するために一度は学んでおきたい『倶舎論』を、第一人者から直接聴聞できるのは、とても得難い貴重な機会だといえるでしょう。

会場
チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター

ケンスル・リンポチェ=ゲシェー・ロサン・ギャツォ猊下の略歴

1933年、チベット本土カム地方に生まれる。9歳で仏門に入り、密教の儀軌などを暗誦する。18歳のとき、仏教の蘊奥を窮めるためにラサの都へ赴き、ゲルク大本山デプン寺ロセルリン学堂に入門。仏教論理学、般若学、中観学、阿毘達磨、律学などを学ぶ。。

インドへ亡命の後、'74年、「ゲシェー・ララムパ」という最高位の仏教哲学博士号を取得。

'85年から2000年まで、サルナート高等チベット学中央研究所の教授を務める。2000年、大本山デプン寺ロセルリン学堂(南インドに再建)の僧院長(ケンポ)に就任し、'08年まで務める。

その間、'03にチベット仏教普及協会の招聘で来日し、本会設立五周年記念行事の一環として『入中論』の講伝などを行なう。

現在は、ロセルリン学堂の長老として後進の指導にあたっている。「ケンスル・リンポチェ」というのは、ケンポの座を退いた長老に対する尊称。

※ 今回の伝授は、全てチベット語で行ないます。ポタラ・カレッジ主任講師のクンチョック・シタル師が、日本語への通訳を担当します。英語による通訳はありませんので、あらかじめ御承知ください。

[ 伝授等に御参加の際の注意事項 ]

1.まじめな信心と正しい動機に基づいて受法してください。ラマに対しては敬意をもって接するよう、常に 心がけてください。

2.御自分がお座りになるための座具(小さめの座布団など)を御持参ください。大きな座布団は、広さに限り ある会場で大きなスペースを占有し、他の方々の迷惑となるので御遠慮ください。

3.座りやすい楽な服装でおいでください。大きな荷物は、受付にお預け願います。

4.会場内でのビデオ撮影は、御遠慮ください。また伝授実施中は、写真撮影も控えてください。


[ 受法申込方法 ]

灌頂や法話などの受法を御希望の方は、A、Bいずれかの方法でお申し込みください。

A.ポタラ・カレッジ東京センターの窓口

備えつけの「参加申込書」に御記入のうえ、所定の費用を添えてお申し込みください。毎日正午から午後6時半まで受け付けます(月曜は休み)。

B.電話による仮予約と振込

1.まずポタラ・カレッジ東京センター(TEL.03-3251-4090)へ、 電話でお申し込みください。毎日正午から午後6時半まで受け付けます(月曜は休み)。
その際、 貴方の御氏名、電話番号、会員種別、参加を希望する日をはっきりお伝えください。当方で予約状況を調べ、 空きがあればその段階で仮予約となります。

2.電話による仮予約の後、所定の費用を御送金ください。
仮予約の翌日から起算して5日以内(当該の灌頂・法話の前日まで4日に満たないときは、灌頂・法話の前日まで)に入金を確認できない場合、仮予約は無効となります。入金確認の通知は特に差し上げませんので、金融機関の領収書等を保存しておいてください。下の「参加申込書」は、お早めに東京センターへ郵送・ファクス等で御提出願います。

送金先
    東京三菱銀行 神田駅前支店(店番010) 普通預金 2405078
    チベット仏教普及協会 会長 ソナムギャルツェン権田

 御注意
1.仮予約は、必ず電話でお願いします。ファクス、郵便、Eメールでは、予約状況を即答できません。
2.必ず仮予約してから御送金ください。既に満員となっている場合もあり得ます。
3.御送金は、銀行振込を御利用ください。それが困難な場合は、郵便振替でお願いします。
4.一旦納付された受法費は、御本人の都合で参加できなくなっても返却致しません。 満員になった段階で、受け付けを締め切らせていただきます。

★ 会費が未納となっている場合は、会員としての取扱いができませんので、至急納付してください。

 
 
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