このたびチベット仏教普及協会(ポタラ・カレッジ)では、ゲルク派の最長老、第百世ガンデン座主ゲシェー・ララムパ・ロサン・ニマ猊下をお招きし、平成15年12月9日から18日にかけて、密教の灌頂などを授けていただくことになりました。
信心と求法心の堅固な方は、「生きとし生けるもの全てのため、速やかに仏陀の覚りを得たい」という正しい動機を確立し、この得難く貴重な機会を有意義に生かしてください!
2003/12/9(火)よる 前行御法話「道の三要訣」
2003/12/10(水)よる 「ガンデン・ラギャマ」の伝授・解説
2003/12/15(月)よる 「六臂マハーカーラ」の許可灌頂
2003/12/17(水)あさ 「無量寿」の長寿灌頂・長寿祈願
2003/12/18(木)よる ツォンカパ大師御縁日大法要
■前行御法話「道の三要訣」
- 日時
- 12月9日(火)午後6時30分〜9時
受法費
- 正会員・賛助会員3,500円/準会員4,000円/一般4,500円
内容
- 一連の灌頂や伝授の基礎固めとして、まず「前行御法話」を授けていただきます。今回は、宗祖ツォンカパ大師の『道の三要訣(ラムツォ・ナムスム)』をもとに、密教の門へ入るためにどうしても必要な出離・菩提心・正見(空性理解)について概観する予定です。
第百世ガンデン座主猊下の御法話は、教えの要点を明快に整理して分かりやすく、前回御来日の際の前行法話も大変に素晴らしいものでした("ポタラ通信"通巻第5号・第6号参照)。
※ 灌頂や伝授を受法する方は、なるべくこの前行御法話を聴聞してください。また、灌頂や伝授を受ける予定のない方でも、前行御法話だけ参加することができます。
会場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
■「ガンデン・ラギャマ」の伝授・解説
- 日時
- 12月10日(水) 午後6時〜9時
受法費
- 正会員・賛助会員4,500円/準会員5,000円/一般6,000円
内容
- 「ガンデン・ラギャマ」とは、ツォンカパ大師への礼賛を七支分の形式でまとめた偈頌で、ゲルク派寺院の常用読誦聖典の一つとして有名です。また、これと「ミクツェマ」を組み合わせ、上師瑜伽(グルヨーガ)として修行することもできます。そうすれば、密教の本尊瑜伽の実践へ入ってゆくための、導入的な瞑想として大変役にたちます。
そのように重要な「ガンデン・ラギャマ」を、ツォンカパ大師の正嫡を継承する第百世ガンデン座主猊下の御加持を伴って受法することは、とても貴重な機会だといえるでしょう。
* 「ガンデン・ラギャマ」については、『実践・チベット仏教入門』第4章を御参照ください。
会場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
■「六臂マハーカーラ」の許可灌頂
- 日時
- 12月15日(月) 午後6時〜9時
受法費
- 正会員・賛助会員8,000円/準会員9,000円/一般11,000円
内容
- 六臂マハーカーラ(大黒)と御縁を結ぶ許可灌頂です。六臂マハーカーラは−タムチェン・チューギェルとともに−ゲルク派の護法尊として崇拝されています。
「護法尊」とは、仏法と修行者を守り抜くため、固い誓いを立てた天(神)のことです。ある意味では、私たち人間世界に身近な存在ともいえるでしょう。それだけに、正統でないものを護法尊として拝むと、非常に危険な場合もあります。こうした点からも、この許可灌頂の意味を考える必要があります。
六臂マハーカーラは、観自在の忿怒の化身とされており、こうした最も正統かつ強力な護法尊としっかり縁を結んでおくならば、末長く安心してチベット密教の実践に取り組んでゆけるでしょう。
会場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
■「無量寿」の長寿灌頂
- 日時
- 12月17日(水)午前7時〜9時
受法費
- 正会員・賛助会員8,000円/準会員9,000円/一般10,000円
内容
- 長寿の本尊とされる無量寿(阿弥陀)と仏縁を結び、幸せで有意義な人生を実現するための法儀です。私たちが人間として生まれ、仏陀の教えと出会い、中でも稀有な密教を受法して修行することができるというのは、極めて得難い貴重な機会です。そのように大切なこの一生を、悔いの残る形で終わらせてしまわないためにも、できるだけ長寿を祈り、これからの人生を有意義に過ごすことが肝要です。
チベット密教の秘法で長寿の条件を揃えるという、この素晴らしい法儀に、多くの皆様がお誘い合わせのうえ御参加いただければ幸いです。
なおこの長寿灌頂は、今回の一連のプログラムの中で、最も一般向のものであり、まじめな信心さえあれば−予備知識や経験の有無を問わず−どなたでも受法できます。
会場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
■ツォンカパ大師御縁日大法要
- 日時
- 12月18日(木)午後6時〜8時;途中入場可
受法費
- 無料 (任意のお布施をお願いできれば幸甚です)。
内容
- チベット暦の10月25日(今年の場合、新暦の12月18日)は、「ガンデン・ガチュー」といい、ツォンカパ大師の御縁日とされています。
大師は、チベット仏教史上随一の大学僧・大聖者として数々の偉業を成し遂げ、1419年10月25日に示寂しました。後世、この有縁の御命日に大師の遺徳を偲び、大がかりな法要を厳修するという習慣が確立され、現在もチベット仏教圏で広く行なわれています。
今年は、ツォンカパ大師の法灯を継承する第百世ガンデン座主猊下が、この聖日に日本滞在中という素晴らしい御縁に恵まれたので、猊下を大導師として「ガンデン・ガチュー」の大法要を厳修したいと思います。このまたとない機会に、皆様お誘い合わせのうえ御参列ください。
* 「上師供養儀軌(グルプージャ)」のプリントをお持ちの方は、御持参ください。
*この日の大法要のみ予約不要です。
会場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
[ 灌頂について ]
「灌頂」とは、密教の秘密を説き明かし、修行へ入る許可を与えることです。実際には儀式の形をとって行なわれますが、その本当の意味は、理論と実践法の伝授にほかなりません。
密教の修行の特長は、本尊瑜伽、つまり修行者自身が本尊と一体化する瞑想法です。現実には普通の人間である私たちが、本尊瑜伽を実践するためには、正しい教えの流れを受け継いだ阿闍梨(ラマ)から灌頂を受け、心身を浄化して仏縁を結ばなければなりません。こうして授かる祝福を「加持」といい、それを伴ってこそ本尊瑜伽を成就する道が開けるのです。もちろん、灌頂を受けて本尊瑜伽の修行を始めたからといって、実際にすぐ本尊の境地を得られるわけではありません。
しかし、修行の結果を先取りして瞑想を繰り返す密教の実践を通じて、本来ならば何千回、何万回と生まれ代わりを繰り返して修行を続けた果てに得られる仏陀の覚りを、遥かに早く実現することができるのです。
チベット密教では、同一内容の灌頂を何度も受法することは、その教えをさらに深く体得し、本尊との縁を強めるために大変有効だとされています。事実そのようにすれば、灌頂法儀の中で阿闍梨の指示に従って観想を展開するとき、瞑想体験が確実に深まったと実感できます。
また、菩薩戒や三昧耶戒の破戒を懴悔して灌頂を受け直せば、これまでの罪過を浄化できるといいます。ですから、過去に同じ本尊の灌頂を受けたことのある方も、今回改めて受法なさることを是非お勧めします。
[ 灌頂受法の注意事項 ]
1.灌頂は、チベット密教の中でも最も重要かつ神聖な宗教儀式です。その点を御配慮のうえ、まじめな信心と正しい動機に基づいて受法してください。阿闍梨に対しては敬意をもって接するよう、常に心がけてください。
2. 事前のお申し込みなしでの御参加は、堅くお断り致します。必ず予約が必要です。
3.遅刻しないよう、十分気をつけてください。三昧耶戒などの授戒が済んだ後は、入場できません。
4.御自分がお座りになるための座具(小さめの座布団など)を御持参ください。大きな座布団は、広さに限りある会場で大きなスペースを占有し、他の方々の迷惑となるので御遠慮ください。
5.座りやすい楽な服装でおいでください。大きな荷物は、受付にお預け願います。
6.会場内でのビデオ撮影は、御遠慮ください。また灌頂法儀中は、写真撮影と録音も控えてください。
[ 受法申込方法 ]
灌頂や法話などの受法を御希望の方は、A、Bいずれかの方法でお申し込みください。
A.ポタラ・カレッジ東京センターの窓口
備えつけの「受法申込書」に御記入のうえ、所定の受法費を添えてお申し込みください。毎日午前11時から午後7時まで受け付けます(月曜は休み)。
B.電話による仮予約と振込
1.まずポタラ・カレッジ東京センター(TEL.03-3251-4090)へ、電話でお申し込みください。毎日午前11時から午後7時まで受け付けます(月曜は休み)。
その際、貴方の御氏名、電話番号、会員区分、受法を希望する日をはっきりお伝えください。当方で予約状況を調べ、空きがあればその段階で仮予約となります。
2.電話による仮予約の後、所定の受法費を御送金ください。
仮予約の翌日から起算して6日以内(当該の灌頂・法話の前日まで5日に満たないときは、灌頂・法話の前日まで)に入金を確認できない場合、仮予約は無効となります。入金確認の通知は特に差し上げませんので、金融機関の領収書等を保存しておいてください。「受法申込書」用紙は、当方から郵送・ファクスしますので、記入のうえ折り返し御返送願います。
送金先 : 受付は終了しました
御注意
1.仮予約は、必ず電話でお願いします。ファクス、郵便、Eメールでは、予約状況を即答できません。
2.必ず仮予約してから御送金ください。既に満員となっている場合もあり得ます。
3.御送金は、銀行振込(電信扱)を御利用ください。それが困難な場合は、現金書留でお願いします。
4.ATMを御利用の場合、貴方の御氏名を入力すべき箇所で「ポタラ・カレッジ」の名称を誤まって入力なさる方が相当数おられます。御送金者の判別ができませんので、十分御注意ください。
5.一旦納付された受法費は、御本人の都合で参加できなくなっても返却致しません。満員になった段階で、受け付けを締め切らせていただきます。
★ 会費が未納となっている場合は、会員としての取扱いができませんので、至急納付してください。
[ ガンデン座主について ]
チベット仏教史上最も偉大なラマとして名高いツォンカパ大師…。この大学僧・大聖者のお蔭で、チベット仏教は完全無欠な教理と実践の一大体系を確立し、世界最高水準の仏教となり得たのです。そうしたツォンカパ大師の学徳を慕い、その教えに従う人々が集まって、「ゲルク派」という宗派が形成されました。このゲルク派の根拠地として、ツォンカパ大師と弟子たちは、ラサ東方の険しい山稜に僧院を建立しました。これが、総本山「ガンデン寺」です。
ツォンカパ大師の数ある弟子たちの中でも、ギェルツァプ・ジェとケートゥプ・ジェの二人は、特に優れた愛弟子として大師から全幅の信頼を得ていました。そこで後世になってから、大師とこの二人の愛弟子は「至尊の三父子」と尊称され、各地のゲルク派寺院に必ず三尊像としてお祀りされています。
さて1419年、ツォンカパ大師はギェルツァプ・ジェに後事を全て託し、偉大な御生涯を閉じられました。かくしてギェルツァプ・ジェは、ツォンカパ大師の後継者となり、ガンデン寺の座主としてゲルク派全体を指導する立場になったのです。そのギェルツァプ・ジェは、晩年に至り、ガンデン寺の座主をケートゥプ・ジェに譲りました。このように、「ツォンカパ…ギャルツァプ…ケートゥプ…」という、チベット仏教史上に燦然と輝く巨星たちから源を発し、以来今日まで連綿と受け継がれているゲルク派管長の地位が、「ガンデン座主」なのです。
その後ゲルク派の中からダライ・ラマ転生活仏が出て、17世紀には−宗派の枠を越え−チベット全土の政教両面に渡る最高指導者となりました。この体制は、基本的に現在まで続いています。つまり、チベットの宗教界全体をダライ・ラマ法王が統括し、その中の最大宗派たるゲルク派をガンデン座主が率いているのです。
近年のガンデン座主は、「ガンデン寺の住職」という意味あいが薄れ、ゲルク派全体の中から厳格な規則に基づき、顕密の学問と実践を極め尽くした高僧が任命されるようになっています。たとえ転生活仏として生まれなくても−まさに宗祖ツォンカパ大師御自身がそうであった如く−一介の僧侶から身を起こし、自らの才能と努力によってガンデン座主となる道が開けているのです。
[ 第百世ガンデン座主ロサン・ニマ猊下の略歴 ]
先代ガンデン座主ロサン・ニマ猊下は、1928年、チベット東部カム地方のツァワロンでお生まれになりました。12歳で仏門に入り、17歳のときラサの都に上京。ゲルク派三大僧院の一つであるデプン寺に入門し、そのロセルリン学堂で仏教論理学・般若学・中観学・阿毘達磨・律学などを学習されました。
1959年、中国のチベット侵攻に伴い、ダライ・ラマ14世法王の後を追ってインドへ亡命。顕教と密教の修行を続け、最高位の哲学博士号「ゲシェー・ララムパ」を取得。密教の最高学府として名高いギュメー寺の僧院長、ダライ・ラマ法王直属のナムギェル寺の僧院長などを歴任し、1984年にチャンツェ法主(ガンデン座主候補)、そして1995年に第百世ガンデン座主となられ、2003年までお務めになりました。
最近は、南インドのカルナタカ州ムンゴットに再建されたデプン寺ロセルリン学堂を根拠地として、ゲルク派全体の指導に御尽力されています。なお猊下は、1999年秋に本会の招聘で来日され、日本で初めて『秘密集会』の四灌頂を厳修なさっておられます。
※ 今回の伝授は、全てチベット語で行ないます。ポタラ・カレッジ主任講師のクンチョック・シタル師が、日本語への通訳を担当します。英語による通訳はありませんので、あらかじめ御承知ください。
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