「ゲルク派版チベット死者の書」として日本でもよく知られているヤンチェン・ガロ師の『三身解説(クスム・ナムシャク)』、及び「パンチェン・ラマの死者の書」ともいうべきチューキ・ギェルツェン師の『中有隘路の救度祈願』を題材に、チベット仏教の死生観を巾広く解説します。
まず、人生の無常について実践的に考察を深めてから、死・中有・再生の過程を詳しく検証し、輪廻転生の仕組みを明らかにします。そのうえで、こうしたチベット仏教の死生観を密教の修行に生かしてゆく理論について、基礎知識を整理したいと思います。
これは、無上瑜伽タントラの灌頂を受けて修行を始めている方には必要不可欠な内容だし、まだ灌頂を受けていない方にも必ず役に立つ予備知識となるものです。
(参考図書:『ゲルク派版・チベット死者の書』平岡宏一訳/学研)