チベット仏教の特色の一つは、論理的な思考を重視することです。仏道修行の中で取り組むべき様々な課題は、聞・思・修の3段階を踏んで達成されなければなりません。つまり、教えを聴聞してよく学び、さらに考察を深めて十分納得し、その後で瞑想を実践する・・・という順序が大切なのです。この点は、釈尊御自身が厳しく戒めておられます。つまり仏教というものは、本来論理的でなければならないのです。「理屈抜きの信心」とか「実践あるのみ」といった態度では、真の修行者として通用しません。
チベットの僧院では、この問・思・修のうち「思」の一つの手段として、問答を非常に重視しています。僧侶たちは、上師から聴聞した教えについて問答を繰り返し、教えを隅々まで間違いなく理解することを目指すのです。こうした問答は、無原則に意見をぶつけ合うのでなく、仏教論理学の手法を通じて行わなければなりません。また、論理の拠り所となる「認識」が成立する過程についても正しく知っておく必要があります。
そのようなわけで、チベット仏教では、この分野のインドにおける大家として名高いディグナーガ(陣那)やダルマキールティ(法称)の思想を中心に、学修と研究がさかんに行われてきたのです。本講演では、こうした点を踏まえつつ、仏教論理学と認識論の基礎について分かりやすく解説し、来世の存在、解脱や一切智の可能性、空性理解などとの関係にも言及します。
- 講 師
- クンチョック・シタル
- 日 時
- 3月20日(月・祝)午前11時から午後6時まで
(途中、1時間の昼休みを設けます。)
- 受法費
- 正会員・賛助会員4,500円、準会員5,000円、一般6,000
当日受付にてお支払いください。
- 参加資格
- どなたでも御参加いただけます。
- 会 場
- チベット仏教普及協会<ポタラ・カレッジ>東京センター
※会場への行き方
- 申込方法
- Eメールにて申し込むこともできます。また、郵送、ファックス、電話でも結構です。
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